映画:ソムニア

深夜枠のテレビで放映していたので、観賞。

部類としてはホラーファンタジー

八歳の幼い少年が里親に引き取られる。しかし、愛らしくおとなしい少年コーディには、いわくつきの経歴があった。これまでも数組の里親が失踪したり、コーディを手放しているのだ。

実は、コーディは眠って見る夢が現実になってしまう不思議な能力を持っていた。コーディが眠って夢を見ると、綺麗な蝶が舞う。里親の死んだ筈の実子であるショーンまでもが現実に姿を現し、妻のジェシーはショーンに会いたさにコーディが眠って夢を見ることを切望する様になる。それを批判する夫のマーク。夜毎現れるショーンは本当のショーンではなく只のイメージでしかない。コーディを虐待しているだけだ、と。しかし、ジェシー聞く耳を持たずにコーディを眠らせるための睡眠薬まで手に入れてしまう。

しかし、夢は綺麗な物だけとは限らない。時には、コーディは悪夢も見る。コーディが悪魔を見ると「キャンカーマン」が出て来るのだ。白いミイラの様な化け物の姿をしたキャンカーマンは「いつも、お前の側にいるぞ」とコーディの耳に囁き、現実の人間を襲って飲み込んでしまう。

純真なコーディが可愛らしく、なんとも健気で切なくなる。コーディは自分が眠って夢を見ると周りの人に危害が及ぶ事を知っているので、とにかく眠らないようにエナジードリンクやカフェイン剤を飲み、ベッドの中で蝶の図鑑を眺め続ける。

そんなコーディの健気な努力も空しく、ショーンに会いたいジェシーは、睡眠薬をミルクに混ぜて飲ませてしまう。そして、眠ったコーディの悪夢によってキャンカーマンが姿を現してしまい、マークとジェシーを襲う。しかし、睡眠薬のせいでコーディは目覚めない。結局、マークはキャンカーマンに飲み込まれてしまい、コーディは施設に連れ戻されてしまう。(ジェシーが子供のコーディに睡眠薬を飲ませてしまったから)

コーディを諦めきれないジェシーは、コーディを取り戻すために彼の過去を調べ始め、入院先の病院に乗り込んでいく。病院では、眠ろうとしないコーディを無理矢理に眠らせるために安定剤が注射され(これって、どうなの?)キャンカーマンが出てくるフラグが立つ。

コーディの悪夢によって、病院のスタッフ達は木の根や蜘蛛の糸の様な物でグルグル巻きにされて壁に縫い止められていて、ジェシーはコーディを探して病室をさ迷う。そのひとつで、ジェシーはリビングのソファーに座ったコーディを見つけるが、そのコーディの前に両目が黒い穴になっているジェシーが出てきて、コーディの頭や顔をグチャグチャ、ゴリゴリと両手で捏ね回し、ショーンの姿に作り替えてしまう。(私としては、このシーンが恐くて、印象に残った。やっぱり、コーディは嫌だったのね)

ラストで、キャンカーマンの「真実」が暴かれるのだけれど、それも切ない。ただ、キャンカーマンに飲み込まれてしまった人達の決着の付け方が?でした。

蛇足。

引き取られたばかりの時に、家のリビングでのコーディの立ち姿が、スヌーピーに出てくる男の子のシルエットのまんまだったのが、何か感動してしまった。