ドラマ:夕凪の街、桜の国

この間、再放送をしていた。

原爆が落とされてから十年後の広島が舞台。

広島の街は復興して、人々の穏やかな暮らしが流れていく。

主人公は、被爆をした若い女性。

工場に動員され働いていた時に原子爆弾が爆発したが、運良く助かった。でも、崩れた建物の下敷きになってしまった友達を見捨てて逃げたことや、火傷をして苦しんでいる人を助けてあげられなかったこと、死んでしまった人から下駄を盗んでしまったこと…。そして、生き残ってしまった自分を責めている。死んだ人達は決して自分を許さない、と。その罪悪感に蓋をして、彼女は日々を懸命に暮らしている。だから、彼女は自分の将来にも蓋をする。彼女に好意を寄せる男性の気持ちに応えて良いのか、自分はそれを許されない人間なのに。

命だけではなく人間性や生き残った人達の将来の夢までもを奪う戦争の残酷さ。

そして彼女は、原爆症で床についてしまう。死にゆく彼女は問う「嬉しい?原子爆弾を作った人は、また一人殺せたって喜ぶ?」

アジア諸国への侵略から第二次大戦にかけて日本は沢山の外国人を殺してしまった。だから、東京や大阪などの日本の各都市に無差別に空襲された事や広島と長崎に原子爆弾を落とされた事は、自業自得なのかもしれない。これは私の意見。侵略という言葉を使うことへの異論や、アメリカが原子爆弾を使って人体実験をしたかった、またはソ連に対抗するために使った、などの沢山の意見がある。一人一人に意見が違うのはとても大切なことだし、相手が自分と違う意見だからと相手のことを全否定もしない。

でも、原子爆弾は絶対に使ってはいけないという意見、これだけは譲れない。原子爆弾は使用した時の被害だけではなく、戦争が終わっても被害にあった人達を殺し続ける。しかも、それは人種や性別、年齢、職業、主義主張を選ばない。

最後に。件の原爆Tシャツを作ったデザイナーさん、第二次大戦を終わらせたのは原子爆弾のお陰だと思っているアメリカの人たちへ。私の意見では、日本が無条件降伏したのは原子爆弾のせいではなく、ソ連が不可侵条約を破棄して参戦したから、なので。